局面の多様化


こうしたゲームがおもしろいのは、この構成によって「局面の多様化」が生じる
からだ。


「グルーヴ感のある」ゲームでは、外部的に与えられる条件(たとえばNetHack
ならダンジョンの部屋やモンスター、ヴィオラートのアトリエなら依頼やイベ
ント)とプレイヤーの持つリソースが直交するため、局面が爆発的に増大するこ
とになる。O(n×m)である。


そのため、プレイヤは、それまでのプレイ経験で獲得した「ミクロレベルで有
効な行動」と推論を組み合わせて、「マクロレベルで有効な行動」に仕上げる
必要がある。それは毎回毎回「前回とは違う」条件での判断を求められること
になり、飽きにくさへとつながる。


この「グルーヴ感のあるなし」というのは、突き詰めると量の問題なので、す
でにあるゲームをゼロイチで分類できる類のものではないのだが、このタイプ
のゲーム性の程度を伝えたいときにこの言葉を使えたらいいなあと思う。


この考えでマルチプレイヤーゲーやアクションゲームのゲーム性も結構広い部
分を説明できると思っているのだけど、それはまた気が向いたら。